今回は、お通夜に参列する際に注意すべきマナーを中心に言葉づかいに関する豆知識についてもご紹介します。
マナーを知らないままお通夜に参列すると、ご遺族に失礼になってしまうこともあります。
お通夜のマナーや言葉づかいについて知ることで、安心してお通夜へ参列できます。 〝いつか〟のときのご参考になれば幸いです。
受付では
・お通夜では、一般の参列者は開式の約10分前には到着するように心がけましょう。
受付では、記帳をし、香典を持参していれば「袱紗(ふくさ)」から取り出します。
また、会社や会社の人の代理で参列する場合は、受付で記帳する際、本来参列するべき人の名を署名して、その下に「代」と書き添えます。
【香典はお通夜と葬儀のどちらで渡す?】
●明確な決まりはありませんが、お通夜と葬儀の両方に参列する場合は、葬儀への参列時に香典を持参するのが一般的です。どちらかにのみ参列する場合は、参列した式に香典を持参すれば問題ありません。
やむをえない事情でお通夜/葬儀のどちらにも参列ができない場合は、信頼できる方に香典を預けて代理を依頼する方法もあります。
※お通夜と葬儀の両方に香典を持参するのはマナー違反です。両方で(2回)渡してしまうと、「不幸が重なる/不幸が続く」という意味でご遺族に対して失礼な行為になってしまいます。注意しましょう。
【ポイント】
●最近は香典を辞退されているケースが多いので、参列する際は事前に香典の扱いについて葬儀社や遺族に確認しておくと安心です。
家族葬の場合も「香典を辞退する」という案内が特になければ、用意して参列しましょう。「家族葬=香典辞退」というわけではありません。
また、一般の参列者からは香典を辞退していても、親族からの香典は受けている場合もあります。
※香典を辞退されている場合は、ご遺族の意向を尊重し、控えるのがマナーです。香典の代わりに供花や供物を贈りましょう。供花/供物も辞退されているときは、弔電を贈りましょう。
お通夜ってなに?
・本来、お通夜は故人と深いかかわりを持つ人たちが集まり、夜通し付き添いながら最期の別れを惜しむもので、一般参列者は、葬儀(告別式)にのみに参列するのが習わしでした。
しかし近年は、仕事の都合などで、日中に行われる葬儀(告別式)に参列することが難しく、お通夜のみに参列するケースが増えています。
また、お通夜そのものも一晩中行われることは少なくなりました。 以前は午後6時か7時頃から宗教者を招いての式を行い、その後、通夜ぶるまいの席が設けられ、ご遺族は故人に付き添い、一緒に最期の夜を寝ずに過ごすという流れが一般的でしたが、最近は翌日の葬儀に備え、体調を崩さないためにも、通夜ぶるまいの席が終わった後はご自宅に帰られて休まれるケースもあります。
【注意点】
●お通夜は、しめやかに故人を偲ぶものです。全般にわたって立ち居振る舞いも静かにし、大声で話しかけたり、談笑したりしないように気をつけましょう。知人に会っても、目礼を交わす程度にしましょう。
また、葬儀のかわりにお通夜に参列する場合は、退席する際に葬儀に出られない事情とお詫びを、ご遺族に簡潔に述べてから辞去しましょう。
通夜ぶるまいに誘われたら?
・通夜ぶるまいは、弔問に対するお礼や故人の供養のために設けられるものです。誘われたときは遠慮せずに席に着き、一口でも箸をつけるのがマナーです。
ただし、宴席ではないので、基本的には故人と関係のない話題に夢中になったり、お酒を飲んで長居をしないように配慮しましょう。 また、途中で退席する時は周囲やご遺族に挨拶をしてから静かに退席しましょう。
【通夜ぶるまいって?】
・現在は、故人の供養のためのふるまいや、手伝い/弔問客へのお礼の意味で行われていますが、本来は故人と食事を共にすることにより、「故人と最期の交わりをし、お別れをする」という意味があったとされています。
通夜ぶるまいには、「酒食をふるまう、弔問客にお菓子を持って帰ってもらう、お茶だけをふるまう、食事券/商品券を渡す」など様々な形があります。
京阪神地域では、酒食は主に親族など、特に関係の深かった人に限定してふるまい、一般の弔問客には、酒食のかわりにお茶など口に入るものを粗供養として渡すことが一般的です。
言葉づかいについて
・ご遺族と話す際に気をつけたい「忌み言葉」や丁寧な表現、宗教によって注意する点などについてご紹介します。
【忌み言葉とされるもの】
・お葬式には「忌み言葉」があり、使用を避けるようにいわれていますが、人の死をあるがままに受け取るなら、そこまで気にする必要はありません。
むしろ変に気にするあまり、不自然にならないように注意しましょう。
①繰り返す言葉(不幸が重なるということで)
➡重ね重ね/かえすがえす/またまた/重々/くれぐれも/たびたび/いろいろ/いよいよ/ますます、など
②繰り返しを予想させる言葉
➡再々/追いかける/次に/また/引き続き/やがて/なおまた、など
③音が不吉とされる言葉
➡四(死ぬ)/九(苦しむ)など
こういった言葉を避けて不自然な表現にならないよう、あまり気にせずに自然な言葉づかいをしましょう。
【丁寧な表現】
・ご逝去、他界される、お亡くなりになる、お元気でいらしたころ、ご生前、突然のご不幸、など
【宗教により注意する言葉】
①習俗にかたよった言葉
➡浮かばれない/迷う
②仏教用語(神式・キリスト教式などでは使用しない)
➡冥福/供養/往生/成仏/回向/冥土
③浄土真宗では注意する言葉
➡冥福/草葉の陰 など
※浄土真宗には、亡くなった後すぐに仏様になる「臨終即往生」という考えがあるため
●「エテルノ」ではお葬式をはじめ、終活に関するさまざまな疑問にお答えいたします。お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。